そこで私たちは、2013年2月20日に「カフェトーク「エイブル・アート・アワードのこれまでとこれから」(会場:A/A gallery 19:00~21:00)と題した公開型の会議を開催しました。
1998年から開催してきた「エイブル・アート・アワード」。
この14年間の取り組みを振り返りながら、この活動が何をなし得たのか、またこの間、障害のある人たちとその表現を取り巻く状況はどのように変化してきたのか、を考えるものとしました。
参加者は選考委員、過去の受賞者、障害のある人の支援団体などで30名。
フラットな立場で意見交換をすることができました。
また、この機会にあわせて過去の受賞者一人ひとりにヒアリングを実施し、その現状をまとめました。
ここで見えてきたことは、大きく下記の4点になります。
1)1990年代からの関係者の努力やさまざまな企業等のご支援により、障害者アートの社会的認知度は高まりつつある。
美術館や大規模ギャラリーなどで作品を眼にすることが増えてきた。
しかし、福祉施設主催や行政区での展示も多く、個々の作家や表現に焦点をあてた内容は少ない。
2)全国規模の公募展も国内でいくつか開催されている。
しかし、展示される作品は一点であることが多く、作家の全体像を紹介する展示構成ではない。
3)アワードの個性と魅力は、個展を銀座という場所で開催し、個々の作家の表現性をみせ、
その表現について語る観客を動員してきていること。
4)しかし、受賞者のヒアリングにより、大きな課題もみえる。
それは、支援側の事情により創作ができなくなった、施設や家族では展覧会などのアウトプットが
継続できていない、などの事実。
とくに障害のある人たちのアウトプットは、支援者の力によることが大きい。
よって、エイブル・アート・ジャパンは個々の作家や、小さな団体に所属する作家を専門的にサポート
する役割を期待したい。
2007年より、NPO法人エイブル・アート・ジャパンは、障害者アートの著作権使用をマネジメントするチームとして「エイブルアート・カンパニー東京事務局」を推進してきました。
約7,000点のデータベースを保持し、障害者アートがデザインされた商品が市場のなかで流通するようになってきました。
また、2010年より拠点を千代田区内のアーツ千代田3331にうつし、A/A galleryを運営してきました。少しですが、その活動も認知されてきました。
そこで、2013年度はアワード後のフォローアップができる中間支援組織として、原画の紹介や作家そのもののマネジメントのスキルや仕組みを確立する年にしたいと考えています。
具体的には、アワード受賞作家のうち、現在も意欲的に創作している人、発表をしたい人、作家としての自立的な活動のために作品を販売する意思をもっている人、に焦点を絞り、個展の開催に力をいれることです。
さらに、当法人のウェブサイトからこれらの作家・作品の情報を掲載し、作品発表や販売に関する窓口の機能を強化していきます。
下記の3つのプログラムを進行しますが、そのうち、銀座のガレリア・グラフィカのご協力で開催する個展を「エイブル・アート・アワード2013」とし、ご支援を継続していただくことにしました。
2013年10月31日~11月10日「藤橋貴之個展」*2003年度受賞者・当法人主催
2013年11月21日~12月1日「星野祥代個展」*2011年度受賞者・作家との共催
2013年12月16日~~12月21日 エイブル・アート・アワード2013 [特別展]
会期:2013年12月16日[月]-12月21日[土] 11:00-19:00 最終日は17:00まで
会場:ガレリア・グラフィカbis(東京都中央区銀座6-13-4 銀座S2ビル1階)
オープニングパーティー:12月16日[月] 17:00-19:00
□協賛・寄付:
花王ハートポケット倶楽部/花王株式会社
富士ゼロックス端数倶楽部/富士ゼロックス株式会社 (以上、展覧会支援の部)
松田油絵具株式会社/ターナー色彩株式会社 (以上、画材支援の部)
□特別協力:ガレリア・グラフィカ
□協力:エイブルアート・カンパニー、財団法人たんぽぽの家
マツダ賞
本田 正さん(福島県 須賀川市)
松村 俊行さん(青森県 八戸市)
ターナー絵の具賞 個人の部
高木 秀俊さん(新潟県 長岡市)
中洞 紀子さん(神奈川県 相模原市)
ターナー絵の具賞 団体の部
やすらぎの杜(東京都 練馬区)
わらべ亭(大阪府 枚方市)