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エイブル・アート・アワード 2011年度支援先

今年で14回目となりましたエイブル・アート・アワードには全国各地より65件のご応募をいただきました。
多くのご応募に心よりお礼申し上げます。選考の結果、今回の展覧会支援対象は、千葉県在住の星野祥代さんに決定いたしました。
また、松田油絵具株式会社様からは榧維真さん、花崎 昇平さんのお二人に対して、アクリル絵の具を寄贈いただきます。

選考会では、エイブル・アート・アワードの意義や、障害のある人のアートのとらえ方などについてさまざまな意見が出されました。
多くの作品の資料から作家自身の、また、作家を支える方々の強い思いが伝わり、背筋が伸びる思いをいたしました。

今回残念ながらご支援の対象とならなかった方の中には、最後まで候補として残りながらわずかな差で残念ながら選からもれた方もいらっしゃいます。今年度からは、最終選考に残った作家も公表いたします。
この選考会を通して、創作の原点を大切にされているみなさまの日ごろの活動に事務局、選考者一同大いに触発されました。
みなさまの真摯な取り組みに対して改めて敬意を表します。

今後もより充実した支援をめざし、このプログラムを続けていきたいと思っています。
そのためには新たな支援者、支援企業が必要です。皆さまからのご支援や支援に関するアイデア、情報提供もお待ちしています。

■ 展覧会支援の部 (応募件数=65件 支援件数=1件)
星野祥代さん
星野祥代さん(千葉県銚子市)
>展覧会の詳細はこちら
■ アクリル絵の具寄贈対象者(提供:マツダ油絵具株式会社)
榧 維真さん(大阪府吹田市)
花崎 昇平さん(香川県高松市)
■ 最終選考作家
榧 維真さん(大阪府吹田市)
花崎 昇平さん(香川県高松市)
星野祥代さん(千葉県銚子市)
片野 儀人さん(福島県白河市)
河野 正典さん(神奈川県横須賀市)
小林さん(綾瀬ホーム)(神奈川県綾瀬市)
久保 貴寛さん(東京都豊島区)
横山 涼さん(埼玉県さいたま市)
■ 選考者/立ち合い人
高橋 直裕(世田谷美術館学芸員)
長崎剛志(庭園美術家)
岡崎 智美(横浜市民ギャラリーあざみ野学芸員)
吉田宏子(編集者)
滝川 潔(富士ゼロックス株式会社 CSR部/端数倶楽部事務局長)
松田 貴子(花王ハートポケット倶楽部)
松田 勝弘(松田油絵具株式会社)
■ 選考評
高橋 直裕(世田谷美術館学芸員)
今年の応募総数は65件という多さにまずは驚きました。
次に良い作家が多く、なおかつ意欲的で完成度の高い作品が多かったことにも驚きました。
個人的に気になった作家では、「浦和太陽の家」の力強いマチエールが素晴らしい大串憲嗣さんと、不思議な空間支配力をもつ立体(飛行機)の横山涼さん。描写力に秀でた溝上強さん。躍動感あふれる描画が魅力の「アトリエ・ポレポレ」の村山太一さんです。しかしながら、ほかにも何人もの方のお名前をあげることができるほど、この度の応募作品は大変充実した内容でした。
その中でも、詩情に溢れ、透明感のある美しさを湛える星野祥代さんの多色刷り木版画は、とても目を引く存在でした。これからのご活躍がとても期待できる作家だと思います。
また、今回残念ながらアワードを受けられなかった方にも、エイブル・アート・ジャパンのA/Aギャラリーで作品を展示する機会の可能性があります。今後も是非積極的に作品のアピールをしていただきたくお願いをいたします。
長崎 剛志(庭園美術家)
今回のアワードの応募数は65件にもおよび、審査会場の机上いっぱいに広がった作品ファイルからは熱い叫びが聞こえるようであった。
丹念に見て回ると全ての作品に揺るぎのない魂の形が時代を無視して存在し、その価値観は生まれたままである。エイブルアートは時と共に役割を捕らえ変貌してきた。それによって様々な価値観が生まれ、積み重ねられ、その差が生まれているような気もしている。
最近私は被災地の支援活動の中で被災者の方が「人間は様々やなー」と言われたその『様々』の意味を考えている。
様々な価値観の差を埋めようとするとき『価値観の差』を考えるより、『様々』を理解し共有できればその差を埋める事ができる気がする。
最終選考に残った作品の中、今回の受賞作家星野さんの多色刷り木版画は異様な空気をもっていた。トーンや表情がつくりづらい木版画ではあるが作品に込められた様々なメッセージに気がつくには時間がかかるかもしれない。大きな揺らぎが起こった年の12月、展覧会場で静かな叫びを耳にするであろう。
岡崎 智美(横浜市民ギャラリーあざみ野学芸員)
60以上もの応募、しかも表現も多種多様で選考は困難としか言い様のないものでした。
しかしその中でも今回選ばれた星野祥代さんの作品は、静謐ではありながら、実力を伴った豊かな作品世界が異彩を放っていました。
他に荒削りな表現でも、花崎昇平さんの顔シリーズや、工房集の飛行機のオブジェの方等、その人の「こだわり」が強く表れている作品が特に印象に残っています。
障がいのあるアーティストが発掘される機会はいまだに多くはありません。
今回は選に漏れた方達も、次回を次の目標として、さらに多くの作品を生み続けていってほしいと思います。
吉田 宏子(編集者)
初めて審査に参加し、期待とともに緊張もしました。各作品とも、ご本人の個性に、サポートされる方々の個性も加わった、魅力的な表現ばかりでした。
アワードをとられた星野祥代さんの作品は、すでに完成された作品で、すぐにでも装丁などで活躍できそう。ブックデザイナーの方に見ていただきたい。
一方で、完成度が高いとはまだ言えないけれど、溢れんばかりのエネルギーと集中力、造形の面白さを感じた作家も数多くいました。榧維真さんが描かれる虫は、その想像力の豊かさとユーモアと色に圧倒されました。綾瀬ホームの小林さんは、パースと密度、一つのモチーフへの執着心に脱帽しました。花崎昇平さんの力強さも脳に刻み込まれてしまいました。これからもどんどん作品を作り続けていって欲しいです。
審査をしてあらためてエイブルアートの概念を考えさせられ、自分がステレオタイプの価値観しか持っていないことを痛感しました。審査というものは自分自身を問われることですね。
星野祥代さんの12月の展示を楽しみにしています。
滝川 潔(富士ゼロックス株式会社 CSR部/端数倶楽部事務局長)
今年は造形があったり、高度な工芸品?があったりで点数が多く、応募作品を見ながらこれはたいへんだなと思いました。その中で15人の方がまず印象に残りました。
丁寧で、繊細で、目に心地よい作品の数々、一方でやや粗さが目立ちながらも大胆で強烈、自由奔放な作品。どちらもこれかの創作活動を後押ししたく、自分の中ではアワードの候補に挙げさせていただきました。
その中でも星野さんの作品は群を抜いていたと思います。ただ、その対極にあるような作品を生み出す作者もアーティストとして自立できるよう後押しをしたい思いにもかられました。ただ、あのギャラリーで展示されて多くの人にご覧いただいて・・・と考えるとやはり今回は星野さんしかないな、という感じです。
悩ましいですね。直後の選考意見をお聞きしながら、このアワードの意味について、いろいろと考えさせられました。ただ、今年の応募総数、常連さんもいながら、新しい挑戦者の顔も。創作の場が決して涸れたりしていないのだと、全国で作品と格闘(没頭?)している皆さんに大きな声でエールを送りたい思いです。
松田 貴子(花王株式会社/花王ハートポケット倶楽部)
今年もエイブル・アート・アワードの選考会に立ち合わせていただました。
昨年を上回る応募があり、たくさんの思いのこもった作品の中から一つを選ぶ責任を感じるとともに、いろいろな作品を見られる楽しさもありました。
写真選考にならざるを得ないところが残念なところですが、採択されなかった中にも実物だったらどんな感じなんだろうかと思いを馳せるものがいくつもありました。
選考で私が印象に残ったのは、顔をいくつも描いた作品です。人は職業や立場など経験によって顔ができあがってくるものですが、その人たちの顔を力強く独特の表現で描いた花崎昇平さんの作品はそれぞれ特徴があり並べてみると面白いものでした。
今年のアワードを獲得した星野祥代さんはまた違って明るい色調に温かみのある作品で見る人がこころ穏やかになれる感じがします。
年末のあわただしい中ですが、たくさんの方にご覧いただきたいと思います。
エイブル・アート・アワードは年に1回ですが、こういった表現の場が広がっていくことを願っています。
松田 勝弘(松田油絵具株式会社)
今年の一日一日は、今まで経験したことのない朝であり昼であり夜であります。
でもまわりの木々は、ピンクの花を咲かせるさるすべりの木、深い色のぶどうの木が音もなく私達に、よりそってくれます。すっかり秋になり、今年のお作品を拝見させていただきました。
花崎昇平さんの色美しいお作品、榧維真さんの想像ゆたかな妖怪達。
お二人共私達を元気にしてくださるお作品でますますご活躍下さいますようたのしみに致しております。

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