NPO法人エイブル・アート・ジャパンでは文化庁「令和3年度障害者による文化芸術活動推進事業」の助成を受けて、『いつでも・だれでも・どこへでも「ミュージアム・アクセス・センター」設立事業』を実施しています。
この事業は、障害のある人がミュージアム(令和3年度は美術館)の利用に際して、「いつでも、だれでも、どこへでも」をキーワードに、自由に美術館を訪問でき、かつ豊かな鑑賞体験を保障するためのサービスを提供する「ミュージアム・アクセス・センター(仮)」の設立をめざす事業です。
私たちが考える「ミュージアム・アクセス・センター(仮)」(以下「センター」といいます)の機能は次のとおりです。
(1)「ミュージアム・アクセス・パートナー」の養成
地域の個人や団体と協働して人材育成に取り組みます。
センターに連絡をすれば、障害の特性や鑑賞スタイルに合わせた鑑賞ガイドや手話通訳者等がマッチングされ、好きな時に行きたい美術館に出かけることができます。
(2)「ミュージアム・アクセス・コーディネーター」の養成
美術館と協働して人材育成に取り組みます。
多様化する障害特性の相互理解を深め、適切な配慮と環境形成が進み、その結果、だれもが安心して美術館を利用することができます。
(3)「ミュージアム・アクセス・インフォメーションセンター(仮)」の設置提言
全国の美術館の基本情報、展覧会情報をはじめ、バリアフリー情報、アクセシブルなプログラムの情報などを一元的に収集・発信するインフォメーションセンターの設置を国に提言していきます。
これにより、だれもがその特性やニーズに応じて知りたい情報に容易にアクセスでき、美術館の利用が促進されます。
※参考:事業の構想図
※上記(1)(2)の取り組みは、今年度は首都圏で着手し、近い将来、国内のいくつかの地域に順次広げていく目標です。 また(3)についても順次、提言していきます。
センターの設立に向けて、次のような方々にご協力いただきご意見や事例を伺っていきます。
ワーキンググループによる事業化検討会議 21回
有識者との意見交換 3回
それぞれの視点から現状と課題、ニーズを把握することで、今後のセンターのあり方や役割を考えてきました。
また、センターの運営に必要なサービスやプログラム、環境整備に関しても、それぞれのニーズを引き出すと同時に、工夫できることやデザイン面での参考事例をリサーチしてきました。
次年度は試験的運用を開始し、実践的協働や基盤整備を進めながら、日本中のミュージアムにおけるアクセシビリティの改善と向上を目指していきます。
令和3年度障害者等による文化芸術活動推進事業(文化芸術による共生社会の推進を含む)
いつでも・だれでも・どこへでも「ミュージアム・アクセス・センター」設立事業