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(平成24年度完了事業)

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project
【報告】COOPトリプルカード みやぎスマイル基金 助成活動報告
【報告】COOPトリプルカード みやぎスマイル基金 助成活動報告

福祉施設の雑貨カイゼン勉強会と実践販売「ひだまりのギフト展」を実施完了いたしました。ご支援いただいたみなさまに御礼申し上げます。

■活動の目的

福祉施設では、利用者の持つ力を活かした商品づくりや、一般市場でも通用するパッケージづくりに限界を感じている所も多いのが現状です。
また、手作りで丁寧に制作されている商品でも、品質表示にバラつきが見られ、品質表示が不足している事で取引先が限られ、商品価値を伝えられていない場面もみられます。
福祉施設のみで商品やパッケージを企画して開発を行っていくこと、品質表示を学ぶことには人的にも資金的にも限界があります。
しかし、定期的に勉強会を行うことで各団体とのネットワークが生まれ、専門家と繋がり商品の完成度を上げることで、障害のある人の表現の可能性や多様性を発見し、生きがいややりがいをつくり、商品の力で勝負するものづくり、工賃アップを目指すことは大変重要です。
当団体は2013年から6年間、自主事業として宮城県内の福祉施設とともに「せんだいクラシック・フェスティバル」に期間限定ショップを出展してきました。
初期に勉強会に参加し商品開発を支援した団体を中心に、売上は次第に伸びて、この2016-18年では3日間で平均35万円になりました。
しかし、新しく参加を希望する施設には、商品力向上の実践力は乏しく、施設各々の売上には差が生じています。
一方、2019年度は2会場での販売の機会を得て、新たに施設で生産した焼き菓子を音楽にあわせてパッケージ提案することで、約62万円の売上を達成しました。
しかしここでも、残念ながら品質表示や商品パッケージが不十分なために取扱いができない商品も少なくありませんでした。
そこで、このたびの申請により、当団体は関係団体に呼びかけて、改めて昨今の法令に従った品質表示のあり方と、また当団体の特性を生かしてパッケージのデザイン力をアップするための勉強会を実施します。
これにより、障害のある人たちの生き甲斐や工賃アップに少しでも貢献し、また志ある団体とのネットワークの強化や持続をはかっていきたいと思います。

■実施内容

参加対象:福祉施設職員等  

【全体】    
1.品質表示勉強会(1回)オンライン
2.雑貨商品改善勉強会・基礎編(全3回)オンライン
3.雑貨商品改善勉強会・実践編(全3回)オンライン
4.トライアル販売会の実施

【詳細】
1.雑貨商品の品質表示勉強会(1回)
 2020年6月24日(水)13:30~15:00
講師:板垣ユカリさん(株式会社高島屋MD本部リビング&フードディビジョンセントラルバイヤー)※高ははしごだか
参加11団体1個人
雑貨や生活用品、食品の「品質表示」に関する勉強会を実施。コロナ禍で講師は当団体の東京事務局からオンラインで勉強会を実施。参加福祉施設の職員・利用者も、それぞれの福祉事業所からオンライン参加し品質表示について基礎から学んだ。

2.雑貨商品カイゼン勉強会(全3回)
 2020年8月21日(金)、9月4日(金)、9月25日(金) 15:00〜17:00
講師:柊 伸江さん(株式会社ダブディビ・デザイン代表取締役)
参加10団体1個人
全国的に福祉施設商品の改善を提案し実績をつくっているデザイナー(千葉在住)を講師として選びオンラインで学びの時間をもった。
ブランディング、マーケティング、セールスの基本を学び、商品を開発・改善。また催事名やコピーライトの実践研修も行った。

3.雑貨商品カイゼン実践編(全3回)
 2020年10月23日(金)、11月27日(金)、12月18日(金) 15:00〜17:00
参加9団体1個人
学びを実際の商品試作に落とし込み改善を繰り返した。
並行して、販売会に向けて「広報・運営チーム」「展示デザインチーム」「販売管理チーム」に分かれて実務を相談し、分担しながら準備した。

4.ひだまりのギフト展
 2021年1月27日(水)〜3月13日(土)
小物と焼菓子のお店「エフブンノイチ」(仙台市青葉区)
勉強会を通し学んだことを活かす販売活動のトライアル。
アート&クラフト、バレンタイン&ホワイトデーのスイーツを全14団体個人で実施。
メディア掲載多数となり、新規のお客さまを得て福祉施設の売上に貢献することができた。

■成果と課題

【成果】
・コロナ禍で、販売会などが中止され福祉施設の売上は激減していた。
苦境を転じて、オンライン会議システムを活用し勉強会を実施したことで、参加者(利用者・職員)に情報交換の機会、学びの時間、少し先の未来への期待が生まれた。

・福祉施設の商品のコンサルティングに実績のある講師(東京、千葉)が、オンラインだからこそ参加できた。
全7回のハードな内容ではあったが、参加者それぞれに学びの体験が生まれた(アンケート参照)。

・オンライン開催にしたことで、石巻市や大崎市の福祉施設が参加できた。
仙台会場の場合の往復の時間と旅費が浮いたと好評だった。

・福祉施設や参加者個人の環境や経験知により、オンライン参加の環境に差が生じた。
しかし、電話や訪問でサポートし、使いこなせるようになった。今後のそれぞれの現場の仕事にもきっと生きると思う。

・メディアに多数、催事が紹介され、新たな顧客獲得につながった。

・期間を通じた売り上げは約45万円。平時の販売会と比べると決して売り上げは多くないが、会場となったショップとしては一日あたりの平均売り上げは最高値だったという。

【課題】
・トライアル販売会として予定していた「せんだいクラシック・フェスティバル」が中止になった。
これにより、福祉施設の販売機会が失われた。

・販売会場のオープン時間が平日11:00-15:30という短時間だった。
本来は休みである土曜日に出展者が自ら店番を行い運営したが、当番の引継不足や機会の操作不慣れのため、誤差金が生じた。

・勉強会のオンライン化には対応できたが、販売のオンライン化には取り組めなかった。管理運営、資金面での課題も多い。

■今後の展望

・会期中に東北TSUTAYAの担当者の訪問があり、催事を気に入り2021年夏展開のポップアップショップ出店につながった。有志で販売会を運営する。

・せんだいクラシック・フェスティバル2021が開催されれば、ターゲットを絞った商品の開発・出展が可能になる。

・勉強会に参加した福祉施設から、毎年、1-3月のバレンタイン&ホワイトデーのギフトシーズンにあわせ、「ひだまりのギフト展」を開催したいとの希望が生まれた。