第二部
エイブルアート・オンステージからみる,インクルーシブアートの可能性
2004年からスタートした明治安田生命社会貢献プログラム「エイブルアート・オンステージ」は、障害のある人に参加や発表の機会を提供することに加え、アーティストとのコラボレーションを通して、これまでに見たことのない新しい表現を生み出すことに重点を置いています。毎年6〜8グループに対して支援を行なう「活動支援プログラム」では、これまでに全国29の取り組みに対して支援をしてきました。この中から特にユニークな3つの活動を紹介し検証することで、インクルーシブアートの可能性に迫ります。
各地事例報告
演劇 「パフォーミングユニットくらっぷ」〜奈良県〜 代表:もりながまこと
知的障害のある人たちと、関西で独自の演劇活動を行っているもりながまことによる演劇ワークショップとして04年より活動を開始。翌年にはカフカの原作にヒントを得た「掟の門」を上演。障害のある人たちの世界観、存在感を切り口に、芸術による問いかけ方そのものを問い返す実験的な作品づくりを行なっている。
音楽 「音遊びの会」〜兵庫県〜 代表:沼田里衣
音遊びの会は、神戸大学院生が仕掛けた、知的障害者と第一線で活躍するプロの即興音楽家、音楽療法士が出会い、セッションをする音楽プロジェクト。さまざまな試行を繰り返し、神戸の洋館やホールでのライブを実施。支援終了後も活動を継続。CD発売や大友良英率いるONJOへのライブ出演も果たした。
ダンス 「Dance &
People 」〜兵庫県・大阪府・京都府〜 代表:五島智子
Dance&Peopleは、地域をベースにさまざまな身体性の人が出会うワークショップを行なう一方、質の高いパフォーマンス作品の発表も行なっている。「エイブルアート・オンステージ」では過去に2回の支援を受け、視覚障害のある人のダンスや、ソロダンスに着目。新しい表現領域を開拓している。
コメンテーター 野村誠 (音楽家、エイブルアート・オンステージ実行委員)
コーディネーター 播磨靖夫 (エイブル・アート・ジャパン常務理事)
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