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鑑賞ツアー

 

ツアー情報MAR関連企画へのお誘い

ツアー情報鑑賞ツアーのレポート

 

  MAR 鑑賞ツアーへのお誘い

MARでは、1〜2ヶ月に1回程度、さまざまな美術館へ鑑賞にでかけます。

この鑑賞ツアーは、美術の専門家によるガイドツアーではありません。視覚や触覚、あるいは美術的知識ではなく、コミュニケーションを通してお互いにイメージをふくらませながら、一緒に鑑賞するというものです。ガイドする人、される人という一方通行的な関係ではなく、ともに楽しく鑑賞する仲間として、参加者のみなさんそれぞれが自由にみて感じて気づくという鑑賞をしていただけたらと思っています。今までとは違った多様な見方、楽しみ方を体験してみませんか。

みなさんのご参加、お待ちしております。

*注意* 
 ○お申し込みの人数によっては、事前に締切とさせていただく場合がございます。
  できるだけお早めにお申し込みください。

 ○入館料、交通費等はすべて自己負担となります。

up  

ツアー情報 鑑賞ツアー
参加者募集中!!

☆MAR2011.7月の鑑賞ツアー☆1〜13まで。

1ツアー先:東京都庭園美術館

2展覧会名:森と芸術

以下展覧会ホームページ
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/mori/index.html

3開催日:2011年7月2日(土)

4集合時間:13時30分

5鑑賞開始時間:14時頃から

6集合場所:JR目黒駅中央改札前

7美術館までのアクセス:目黒駅から徒歩7分

8解散時間:16時頃を予定 現地解散

9 参加費:MAR鑑賞ツアーでは、観覧料を割引の有無に関わらず参加者の人数で均等に割らせていただきます。ご了承ください。ただしガイドヘルパーさんを除きます。

◎以下観覧料

一般:1000円
障がい者手帳をお持ちの方とその付き添いの方1名は無料

 

10.お申込み方法

【事前のお申し込みが必要です】

「MAR鑑賞ツア11月 参加希望」と明記の上、6/30(木)までにお申し込みください。

1)お名前

2)連絡先電話番号 

3)メルアドレス

4)携帯電話番号(当日の連絡用)

5)視覚障害の有無

6)同伴者の有無と人数を下記の事務局までお知らせください。

お申し込みの方には、当日の連絡用電話番号をご案内いたします。

 

11.お申し込み・お問い合わせ先:

MAR事務局 (エイブル・アート・ジャパン内)

Email: sugi@ableart.org

TEL:03-5812-4622 FAX:03-5812-4630

杉千種(すぎちぐさ)

 

12.展覧会内容

はるかな昔、人間は森に住み、森の恵みを糧に暮らしていました。
のちに森を離れて文明を築くようになってからも、人間は森という故郷に「楽園」の思い出を重ね、ノスタルジアを抱きつづけてきたのです。古今の芸術作品のなかにも、そうした原初の森への郷愁や憧れがあらわれています。森の神話・伝説を描く絵画、情感ゆたかな風景画、メルヘン絵本、植物文様をもつアール・ヌーヴォーのガラス器など、森の魅惑を体現する作品の数々が展示されます。

本展は、そうした森にかかわる多くの作品を通して、私たちのうちにひそむ「森の記憶」をさぐり、芸術・文化から自然界へと視野をひろげていきます。

東京都庭園美術館は都心の森にかこまれた、世界にも稀有なアール・デコ様式の邸宅美術館です。美しい森の雰囲気をそなえたその館内で、さまざまな風景と幻想とメルヘンに出会ってみませんか。

(公式HPより抜粋)

 

13美術館住所

東京都港区白金台5-21-9
東京都庭園美術館

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 鑑賞ツアーのレポート

いままでに行った、鑑賞ツアー先と参加者からのコメントです。

2010年

53

7月4日(日)

「ジョゼフ・コーネル×高橋睦郎 箱宇宙を讃えて」(川村記念美術館)

52

5月5日(水)祝

「佐々木耕成展 全肯定/OK. PERFECT. YES.」(アーツ千代田 3331)

51

4月25日(日)

「ロトチェンコ+ステパーノワ ロシア構成主義のまなざし」
(東京庭園美術館)

50

2月6日(土)

早川良雄 “顔”と“形状”」「所蔵作品展「近代日本の美術(国立近代美術館)

2009年

49

12月12日(土)

埼玉県障害者アートフェスティバル企画展(埼玉県障害者アートフェスティバル関連企画)

48

11月29(日)

埼玉県立近代美術館 常設展(埼玉県障害者アートフェスティバル関連企画)

47

9月25日(金)

「光 松本陽子/野口里佳」展(国立新美術館)

46

8月1日(土)

「うみのいろ うみのかたち」展(ブリジストン美術館)

45

6月21(日)

「日本の自画像 写真が描く戦後 1945-1964」展(世田谷美術館)

44

4月29(日)

「ジムランビー:アンノウンプレジャーズ」展(原美術館)

43

3月7(土)

「青春のロシアアヴァンギャルド」展(埼玉県立近代美術館)

42

2月1(日)

「遠き道」展(上野の森美術館)

2008年

36

3月2(日)

「池田満寿夫 知られざる全貌」展(東京オペラシティーアートギャラリー)

37

4月27(日)

「原美術館コレクション」展(原美術館)

38

6月29(日)

常設展「新寄贈の近代日本画ー大熊家コレクション 」
「 近代の絵画と彫刻」
「薔薇の浮かぶ椅子ー倉俣史郎」
(埼玉県立近代美術館)

39

8月30(土)

「パラレル・ワールド もうひとつの世界」展
(東京都現代美術館)

40

10月16(木)

「アートなピクニック 〜おしゃべりなトリエンナーレツアー」主催:横浜市民ギャラリーあざみ野(MAR関連企画) 

41

11月9日(日)

「丸山直文展―後ろの正面 」展(目黒区美術館)

2007年

30

2月17(土)

「向井潤吉の歩いた時代大正・昭和に残した画家の足跡」(世田谷美術館分館 向井潤吉アトリエ館)

31

5月27(土)

「生誕100年 あいみつ展」(東京国立近代美術館)

32

6月10(日)

「チョコレート展」(東京ミッドタウン内 21_21DESIGN SIGHT)

33

7月29(日)

「アルフレッド・ウオリス展 〜海に生きた素朴画家〜」(横須賀美術館)

34

9月2日(日)

「森村泰昌 美の教室、静聴せよ」展(横浜美術館)

35

11月4日(日)

「六本木クロッシング2007:未来への鼓動」展(森美術館)

2006年

25

1月29日(日)

「タッチ、アート!体感する美術展」(川越市立美術館)

26

514日(日)

MOTコレクション−1960年代以降の美術「特集展示:吉田克朗/中村一美」(東京都現代美術館)

27

729日(土)

「アフリカ・リミックス:多様化するアフリカの現代美術」
(森美術館)

28

930日(土)

「ベルギー王立美術館展」(国立西洋美術館)

29

1112日(日)

「美術館は白亜紀の夢を見る」(埼玉県立近代美術館)

2005年

22

7月3日(日)

日本の美術、世界の美術−この50年のあゆみ(東京都現代美術館)

23

1119日(土)

池口史子展(損保ジャパン東郷青児美術館)

■主催:株式会社損害保険ジャパン

※エイブル・アート・ジャパンとミュージアム・アクセス・グループMARは、この鑑賞会をコーディネートしました。

24

124日(日)

横浜トリエンナーレ【アートサーカス(日常からの跳躍)】

2003年

21

5月11日(日)

レオン・スピリアールト展(ブリヂストン美術館)

2002年

16

1月19日(土)

バックミンスター・フラー展(ワタリウム美術館)

17

4月20日(土)

美術館物語(埼玉県立近代美術館)

18

8月22日(木)

心の眼-視覚障害者のための視覚芸術展(ブラジル大使館)

19

8月25日(日)

ミロ展(世田谷美術館)

20

11月4日(祝)

アイ・ラブ・ア−ト展(ワタリウム美術館)

2001年

9

1月6日(土)

POINT OF PURCHASE グラフィティ・アートの新しい波動
(パルコギャラリー)

10

2月25日(日)

美術館を読み解く 表慶館と現代美術(表慶館)

11

3月25日(日)

21世紀アートのエネルギーをみる(O美術館)

12

4月22日(日)

ウィーン、生活と美術 1873-1938(府中市美術館)

13

5月19日(土)

アートイン・パラダイス(三鷹市美術ギャラリー)

14

9月23日(日)

ヴァイブレーション 結びあう知覚(宇都宮美術館)

15

12月9日(日)

エゴフーガル:イスタンブールビエンナーレ東京
(東京オペラシティアートギャラリー)

2000年

1

1月23日(日)

壁画の原画展(岡本太郎記念館)

2

1月30日(日)

顔 絵画を突き動かすもの(国立西洋美術館)

3

5月20日(土)

コレクション展-Untitles(原美術館)

4

5月28日(日)

ニュー・メディア ニューフェース/ニューヨーク(ICC)

5

7月2日(日)

作品を読む-足で読む、耳で読む、画面で読む(板橋区立美術館)

6

9月30日(日)

西美をうたう-短歌と美術が出会うとき(国立西洋美術館)

7

10月29日(日)

日本美術の20世紀-美術が語るこの100年(東京都現代美術館)

8

11月18日(日)

プラスチックの時代-美術とデザイン(埼玉県立近代美術館)

 

 壁画の原画展 

 2000年1月23日 日曜日 (岡本太郎記念館)

 もともとアトリエ兼住居だったところを公開しているため、とてもこじんまりとした、くつろげる空間。広さも作品数もちょうどよく、座り心地のいいイスがあったり、楽しい彫刻の置かれた庭があったり、とてもリラックスした雰囲気で鑑賞できました。作品も平面と立体と両方あり、多くの作品にふれることができたので、みなさん思い思いにパワーあふれる太郎アートをまさに肌で感じていたようです。館長の岡本敏子さんの秘書ならではのエピソード話をより身近に感じることができ、おもしろかったです。敏子さんの情熱的な語り口調は、まるで太郎さんが乗り移ったかのようにエネルギッシュでした。(か)

  チェック岡本太郎記念館の情報はこちらをご覧ください。

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2 顔 絵画を突き動かすもの

 2000年1月30日 日曜日 (国立西洋美術館)

 『顔』というテーマで20世紀の作家30名100点あまりの作品が展示されていて見応えがあり、今回は少し鑑賞時間が足りなかったようです。触ることができない分、表現も表情もさまざまな作品たちを、ある人は技術的なことも踏まえて、またある人は作品から受ける直感的イメージをそれぞれ自分なりの方法で伝えようとしていました。作品数が多く、すべての作品を観ることはできませんでしたが、ひとりひとり心に残る何かを見つけることができたようです。その傍らで、ツルツルした床で足を滑らせ、しっぽを踏まれながらもイヤな顔一つ見せず、美術館という不思議な雰囲気を味わっていたのは盲導犬アンディーなのでした。(か)

  チェック国立西洋美術館の情報はこちらをご覧ください。

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 3 コレクション展―Untitles (原美術館)

 2000年5月20日 土曜日

 今回は、ツアーに視覚障害者の参加はなし。でも学芸員さんが一緒にまわってくれたのでお得感はあり。テーマは「Untitled」。学芸員さんが2メートル近い絵の前で、「これが人の顔で、ここ、こうこう、人が見えますね」と、手をひらひら動かす。一瞬ポカン。ああ、はいはい、なるほどーと一同息を吐き、笑いがこみ上げた。ちょうど天井にすりガラスがはめられていて、そこから数人に見下ろされているシーン。「ああ、言われなければ分からなかったわあ。良かった、聞いて。」とじっくり頷く某女史。そのほか、抽象あり具象ありと様々であるが、皆タイトルに「無題」や「作品」などとつけられていて、一様にそっけない。でも私、今まで美術館に行って、タイトルらしいタイトルがないことに不満だったり、疎外感を感じたことなんてあったかしら。そう言えば、視覚障害者を交えての鑑賞ツアーのとき、ついつい「これは『ナニナニ』というタイトルで・・・」と、タイトルの説明から入ってしまっていた。タイトルをつけないことは作家の意思表示であるという。私はずっと、それは作家の「逃げ」ではないかと思ってきた。説明的であることを拒む姿勢というのは分かるが、それは見る側への責任転嫁ではないのか。しかし逆に、タイトルで説明することを完結させようとするのは、言葉で作品を伝えようとする者の「逃げ」であったかも知れない。学芸員さんがいて良かったなんて思ってる場合ではないのだ。(板)

<美術館データ>

開館時間 11:00〜17:00 水曜日は20:00まで(入館は30分前まで)

     月曜日、年末年始、年4回展示替時各10日間休館

観覧料  一般1000円、大高700円、中小500円(20名以上の団体は各100円引)

     障害者(手帳持参)半額、介助者1名無料

アクセス JR品川駅高輪口より徒歩20分

国道を右側通行で五反田方向(左)へ品川プリンスホテルの前を通り過ぎまっすぐ(点字ブロックあり)。御殿山交差点(右側に交番あり)を左折して数百メートル先左側。

住所   〒140-0001 東京都品川区北品川4-7-25

Tel 03-3445-0651  Fax 03-33473-0104 

http://www.haramuseum.or.jp

<美術館一口メモ>
 
*邸宅を改築して美術館にしているため館内には階段がありこぢんまりとしているが、最近障害者用トイレが設置されたそうです。
 
*おしゃれなカフェがあり、中庭を望みながらくつろげます。晴れた日ならオープンカフェになっているので中庭で作品に囲まれながらお茶が楽しめます。
 
*ミュージアムショップも充実。思わず衝動買いしてしまいそう。

展覧会情報現在は「山本耀司−May I help you?」を開催中(7月21日まで)。

 レポート目次へ 

4 ニュー・メディア ニュー・フェース/ニューヨーク 

 2000年5月28日 日曜日 (ICC)

 今回参加した視覚障害者の方が印象に残ったという作品は、スクリーンの投影された自分の体に無数のアルファベットの単語が降り積もり、やがて消えていくというもの。その様子がまるで雪のような感じというのがとても印象的だったそうです。またビニールプールに浮かべられた大小さまざまの器がゆっくりとした水流でカラーンカラーンと音色を響かせている作品も、その音が時には風鈴のようだったり、時には教会の鐘のようだったりと、同じ器でも音色はさまざまで、それによって浮かぶ情景が違うという楽しさも発見できました。ICCは、企画展も常設展も鑑賞者自らが参加することによって初めて作品が完成するという体感型のものなので、それらをいかに見えない人に伝えればいいのかに戸惑います。見えない人にとっても理解するのはかなり難しいでしょう。今回の参加者のみなさんもそれぞれ言葉を駆使して表現していましたが、それらがうまく結びついてイメージをふくらませることができるのか、あるいは逆にバラバラになってしまいイメージしにくくなってしまうのかは、その人その時によりけりなのでこれまた難しいところです。ICCでは必要に応じてナビゲーターの方が説明をしてくださったり、お手伝いをしてくださるそうですので、一度不思議なメディアアートの近未来的な世界を体感しに出かけてみるのもいいかもしれません。(桃)

<美術館データ>

開館時間 10:00〜18:00 金曜日は21:00まで(入館は30分前まで) 

     月曜日、年末年始休館

観覧料  一般800円、大高600円、障害者(手帳持参)及び介助者1名無料

     *15名以上の団体は、一般600円、大高450円、中小300円    

アクセス 京王新線初台駅東口より徒歩3分(駅とビル直結)

住所   〒163-1404 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティータワー4階

Tel フリーダイアル0120-144199  Fax 03-5353-0900 

http://www.ntticc.or.jp/

展覧会情報現在は「E.A.T. ─ 芸術と技術の実験」を開催中(6月29日まで)。

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5 作品を読む―足で読む、耳で読む、画面で読む

 2000年7月2日 日曜日 (板橋区立美術館)

早くも「MAR」解散の危機か?! あまりに暑い真夏日。少々バテ気味ながら、メンバーの来るのを待っていましたが、結局誰も現れず。(おいおい;)一人無料送迎バスに乗り美術館へ。板橋区立美術館は、駅から少々遠いものの1 時間おきに無料送迎バスが出ているので、アクセスの面ではとても楽。美術館は公園に隣接していて、地域に馴染んでいる感じがしました。日曜日でしかも入場無料ということもあってか様々な年代の人が鑑賞に来ていました。この美術館のおもしろいところは、現代美術の遊び方的な展覧会を企画しているところ。今回の展覧会は、日本の戦後作品がテーマも脈略もなく年代順に並べられたもの。見せる側の意図的なテーマが感じられない分、見る側の私たちがそれぞれ自分なりのテーマを見つけられるという、見方に縛られない楽しみ方を体験できました。 特に今回は、論文を募集し集まった美術愛好家である「街角キュレーター」の方々の独自の視点で作品を拾い「読む」ギャラリーツアーや、作品を前に鑑賞者も巻き込んだ芝居仕立てのギャラリートークがあったり、コンピュータの画面に見た人の自分なりの作品解釈や疑問に思ったことなどが書き込まれ、それに別の意見などが展開され新たな解釈が生まれてくるという仕掛けがあったりと、まさに五感と喜怒哀楽をフル活用した展覧会でした。けして見る側見せる側の一方通行ではなく、美術館と作品と鑑賞者が三位一体となることの楽しさを発見することができました。そのことが美術館側の隠れたテーマだったのでしょうか。まんまとはまってしまった私でした。(か)

<美術館データ>

開館時間 9:30〜17:00(入館は30分前まで) 

     月曜日、年末年始休館

観覧料  一般500円、大高300円、中小100円、障害者(手帳持参)半額

     *団体割引あり    

アクセス 都営地下鉄三田線西高島平駅より徒歩15分

     東武東上線下赤塚駅より徒歩20分

 チェック1 美術館無料送迎バス(土日祝日運行)が便利です。
 
●都営地下鉄三田線高島平駅西口 高島平図書館前:10時より毎時0分発、最終16時
 
●東武東上線成増駅北口 タクシー乗り場先:9時半より毎時30分発、最終16時20分
*ただしどちらも12時台は除く

住所   〒175-0092 東京都板橋区赤塚5-34-27

Tel 03-3979-3251   

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6 西美をうたう 短歌と美術が出会うとき

 2000年9月30日日曜日 (国立西洋美術館)

 四人+一人?? 今回は、国立西洋美術館の常設展をみるツアーでした。「西美をうたう」とは、絵画や彫刻の横に、歌人がよんだ短歌が展示されている企画。ことばと作品から受けた印象で美術を楽しもう!と いうMARにぴったり?の展覧会でした。参加者は九人で視覚障害者は三人でした。はじめに展示されていたのは、ブロンズの彫刻。触れることができない彫刻をことばで伝えるのは難しく、また、短歌も難解で(読めない漢字があったり)作品のイメージが一層わからなくなってしまいました。みんなの心中に今回の企画はやっかいだったかも・・・」というのがよぎりました。彫刻の次は、宗教画で、それから時代を追って現代へという展示でした。短歌が添えられている作品を中心に、先に絵の内容と自分が受けた印象を伝えてから、短歌を二回読むという方法で見ていきました。必ず伝えるはずの、作品のタイトルや作者があまり重要でない気がしてきて、自分の印象と、歌人の表現との違いを説明しました。だんだんと三十一文字で作品をすっきりと表現している、そのことばの美しさにひかれてゆきました。今回は最初「難しい!」と思ってしまいましたが、短歌にも慣れてくるとMARでいつも一人ひとりが感じたイメージをことばにしているのと同じように、歌人はうたでそれを表現しているんだなぁということに気がつきました。四人でみていましたが、実は「四人+一人(歌人)」でみていたのではないでしょうか。(たえ)

 私が気に入ったうたをひとつ紹介します。モネの「ポプラ並木」という作品を詠んだうたです。

 「ポプラをほむる雲こまやかに動きいてゆらゆらとせり川面のひかり」馬場あき子

  チェック国立西洋美術館の情報はこちらをご覧ください。

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7 日本美術の20世紀 美術が語るこの100年

 2000年10月29日 日曜日 (東京都現代美術館)

 前回に引き続き、平面の作品中心の展覧会。明治時代からこの100年を時間を追って展示してありました。掛け軸あり、屏風あり、西洋画あり、近未来的なオブジェありとバラエティーに富んで いて、会場もとても広くどれをみようか迷ってしまうほど。一緒にまわった3人が印象的だったのは、「カルピスの包み紙のある静物」という作品で192?年に制作されたもの。まず、その当時から『カルピス』があったんだ!ということに一同驚きました。カルピスという、平和な飲み物が描かれているわりにはちょっと暗いタッチ・・・と説明していると、参加者の一人から作者が勤め先のお嬢さんに恋をしたんだけど、不釣り合いだということで引き裂かれ、不治の病だった結核にかかっていて・・・という悲恋のエピソードが紹介されたのです。「今ならそんなこともなく、自由に恋愛もできるのにねぇ」と、まさに一枚の絵から時代を感じさせられました。参加者は11人で視覚障害者は3人でした。少し駅から遠い美術館でしたが、お天気がよい日は公園内を散策しながら1日のんびりと過ごせそうなところです。(たえ)

<美術館データ>

開館時間 10:00〜18:00 金曜日は21:00まで(入館は30分前まで)

     月曜日、年末年始休館

観覧料  一般・大学500円、高中小250円
(企画展と同時に鑑賞する場合は、常設展の観覧料は半額になります。)

アクセス 東西線木場駅舟木橋口改札(中野方面より一番後ろ)を出て3番出口より徒歩20分

あるいはバス停「木場駅前」(3番出口を出て左の交差点を左へ)より都営バス「業平橋駅」行きで2つ目のバス停「東京都現代美術館前」下車

   都営新宿線菊川駅4番出口より徒歩20分

   あるいは都営バス「新橋」行きでバス停「東京都現代美術館前」下車

http://www.tef.or.jp/mot/index.html

住所   江東区三好4-1-1

Tel 03-5245-4111  ハローダイヤル 03-3272-8600

展覧会情報現在は「出光コレクションによるサム・フランシス展」(5月25日まで)、「船越桂展」(6月22日まで)を開催中。

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8 プラスチックの時代 美術とデザイン

 2000年11月18日 日曜日 (埼玉県立近代美術館)

 秋晴れの穏やかな日でした。繰り出してきた人々で、美術館のある北浦和公園はにぎわっておりま した。(私は初めて参加したのですが)鑑賞ツアー一行も今回は特別にケーブルTVの取材付きの大所帯で、北浦和公園のにぎわいにさらに貢献していたように思われます。今回鑑賞した「プラスチックの時代」展は、プラスチックの歴史的な生産の側面と、それを素材としての美術作品という二部構成のものでした。私は視覚障害者二人に対し晴眼者十人程という中で、初めてで自信もないことが手伝って、視覚障害のある鈴木さん、仙波さんの作品鑑賞や一緒に鑑賞して補助をされる方の様子を殆ど外野でみているだけに留まってしまいました。どこかしら、自分の見ているものを言葉に直すのは非常に難しいことであるように私には感じてしまうところがあります。しかし、こういう考え方はある意味では独りよがりなのだという事を実感できたことが今回のツアーでの実りであったと思います。それは、パートナーの説明に対して仙波さんのじっくり聞いておられる姿や、自ら作品を創作される鈴木さんの突っ込んだ問い返しなどをみていて気づかされるものです。美術館の職員の方でも鑑賞に対して対応の柔軟な方がおり、作品に触れることを許してくださったりという場面もありました。こういった鑑賞ツアーなどが色々な人の意識を変えていくのではないかと思います。個人的に印象に残ったシニカルな一点を紹介すると・・・壁に、明らかにゴミ(海辺にうち捨てられているような)だったプラスチック製品の破片が二人の人物をかたち取って並べられている。一方は、男性?一方は女性?題名は、「新郎と新婦」(もしくは「結婚式」?)。美術館で見たときには感覚的には、コミカルで明るい印象があったのですが、じっくり考えてみると、ゴミ問題、幸せ、不幸せ、いやいや再生なのか、などと色々複雑な思いがいたしました。(郁)

<美術館データ>

開館時間 10:00〜17:30 金曜日は20:00まで(入館は30分前まで)

     月曜日、年末年始休館

観覧料  常設展:一般200円、大高100円

     企画展は展覧会による

アクセス 京浜東北線北浦和駅西口より徒歩4分(北浦和公園内)

     改札(一つだけ)を出て左へ

http://www.saitama-j.or.jp/~momas/

住所   浦和市常盤9-30-1

Tel 048-824-0111  Fax 048-824-0119

<美術館一口メモ>
 
*館内のグッド・デザインの椅子に自由に座ってくつろげます。あなたはどの椅子がお気に入り?
 
*光ファイバーによる美術館のライトアップと2時間おきに名曲に合わせて優雅に水が舞い踊る公園の音楽噴水もおすすめ。

 

展覧会情報6月20日(金)より「トルコ美術の現在 どこに?/ここに?」を開催。

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9 POINT OF PURCHASE グラフィティ・アートの新しい波動

 2001年1月6日 土曜日 (パルコギャラリー)

 私は久しぶりにMARに参加した。久しぶりにもかかわらず、集合してすぐにとけこめて嬉しかった。みんなで新年のあいさつをして、パルコ渋谷の展示会場に向かった。その道中、会話が絶えなかった。それがとても楽しくて、ああ参加してよかったと思った。会場に入るとすぐに、壁にかかれた大小様々なイラスト、インパクトのある漫画が現れた。それらをイラスト、もしくは漫画といっていいのかわからない。それは、「美術展」といった時にすぐ連想されるような、額にはいった絵とは違っていた。あたりを見まわせば、そこの壁だけでなく床や全体に色やイラストの形が散らばっていた。ちょっと先にはスーパーマーケットの店内が再現されていて、並べられた瓶や洗剤の箱に一連のイラストが描かれていた。作家は空間全体で表現していた。私は少し歩いては立ち止まって、横にいる鈴木さんにどんなものがあるか、どんなところにあるかを話していたのだが、それは少し難しかった。この空間をなんと表現したらよいのかと考えてしまったのだ。難しいというより、いかに自分の言葉のバラエテイーが少ないかを実感した。日頃、私は定型のフレーズばかりしか使っていないらしい。スーパーマーケットの空間がどんなであるかを言うのに「広い」やら「おもしろい」では足りない。どんな漫画のついた瓶がどんな風に、例えてみたらどんな感じで置かれているのかなど、自分の言葉で話すことはいっぱいあるのだ。色彩についても。今回、形や質感は手で触れることができた。会場をゆっくりまわった。その間にみんなの感じたこととかが聞けた。きっと、一人で来るよりずっと気持ち的にもゆっくりできた。作家のユーモア満載の会場をでて、ブラブラ散歩したあと私たちは中華料理を食べにいった。それがもう、なんともいい雰囲気で、私はまたまた、ああ参加してよかったーと思った。(あい)

<美術館データ>

2002年6月 閉館

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10 美術館を読み解く 表慶館と現代美術

 2001年2月25日 日曜日 (表慶館)

 春一番が吹いた土曜日。今回は、何かと話題になった「美術館を読み解く」展でした。場所は東京国立博物館の隣に位置する表慶館。今回初めて参加した私は、視覚障害の方と一緒に見る事で、自分一人では気付く事のできないものを観られるのではと胸おどらせながら待ち合わせ場所へ。ところが残念。当日は晴眼者のみのツアーとなりました。 美術館の展覧会というのは、鑑賞者がガラス越しに作品を見るというのが基本理念。今回特に面白かったのは、そのガラス展示ケースに着目した作品でした。ひとつは、ケースを突き通す銅パイプというもの。いくらガラスに目を近づけても、見えるのは結局パイプの先の空間のみ。はっきりとした対象がない不安感が残ります。また、ところどころ開いているケースに入った本や寝椅子といった作品では、触ろうと思えば触れる物が並んでいることに、とまどってしまうのです。晴眼者の場合、ガラスに隔てられて触れない物を、日常の物ではない美術作品として見ているという仕組みを痛感しました。もしここで視覚障害の方がいらしたら、このガラスの存在をどのように思われるのでしょうか。是非ご意見を伺いたいものでした。(横田)

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11 21世紀アートのエネルギーをみる

 2001年3月25日 日曜日 (0美術館)

 雨の降る日曜昼下がり。駅と隣接しているので皆濡れずに移動。20人程の参加で、視覚障害の方1名に対し晴眼者1〜2名のグループにわかれて会場を周った。 みかんやおせんべいの食べかけが畳の上にある写真群、A4-3サイズ位のダンボール紙に赤鉛筆で描かれた人物等が壁一面を覆う「結婚式」という作品、白い床と壁、そして青緑に染まった毛髪が頭上を覆っている仮設建築作品など、8人の作家それぞれが多種多様な形で自分にとってのこだわりを表現している展覧会だった。今回の出品作家の作家の1人である、下田修司氏に直接出会え、お話出来たことは面白い経験だった。色とりどりを使って肖像画を描く彼は、そのモデルの姿形をそのまま似せるというよりも、そこから受けるエネルギー、印象、感じ、を多彩な色と線で表現している。鈴木さんが、「作品の説明を受けたり、実際に触ってそのモノのカタチを捕らえたとしても、そこからさらに深く鑑賞すること、感じることというのはまた別のことですね」というようなことをおっしゃっていた。それはこの下田氏が人物の容姿から飛び越えて発せられる何かを表現しようとしていることにも通じていくであろう。晴眼者であっても視覚芸術作品を「感じる」ことは容易でないことしばしばである。鈴木さんの感想が心に浮遊して止まない。 私は鑑賞ツアーに今回初めて参加したが、実は昨年までニューヨーク近代美術館にて3年間研修をしていて、その中で障害者対象の美術鑑賞サービス部門に所属していた。今度このことをもっとお話できればと思うが、こうした鑑賞ツアーに参加するのは久々だったのでちょっぴり緊張した。作品を上手く言葉でデッサンしていくことをさらに磨かねばと改めて感じた。あいまい且つ主観的な表現とならないように。そして楽しく和やかに(笑)。久々に刺激的で勉強になった経験でした!(坊城)

<美術館データ>

開館時間 10:00〜18:30(入館は30分前まで)  木曜休館

観覧料  企画展による

アクセス JR大崎駅徒歩2分、大崎ニューシティ2号館2階(駅直結)

Tel 03-3495-4040

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12 ウィーン、生活と美術 1873-1938

 2001年4月22日 日曜日 (府中市美術館)

 美術館は遠かった・・・。ちょうどいい時間のバスがなく、冷たい風が吹く中待つこと20分。やっとこバスに乗り美術館へ。美術館はきれいな並木道のある公園入り口にあり、白を基調としたとてもきれいで開放感のある素敵な美術館でした。展覧会は「生活と美術」というテーマ通り、クリムトやシーレといった有名な絵画作品からポスターデザインや銀製品、イスといった普段何気なく目にしているようなものも作品として飾られていて、美術を身近に感じることができました。中でも面白かったのは、王様が座っていそうなゴージャスな装飾の施された椅子があったのですが、その椅子の足にはキャスターが付いていたのです。確かに重そうな椅子で動かすのは大変だとは思いますが、100年も前にちゃんと機能性も考えて作っていたとは、ちょっとビックリで発見でした。観賞後に寄った美術館の喫茶店は、ガラス張りでオープンテラスにもなっていて、公園と一体感があり、のんびりくつろげる空間でした。美術館内の図書館やミュージアムショップ、喫茶店には自由に入ることもでき、その気軽さも魅力です。もう少し交通の便が良ければ・・・。

<美術館データ>

開館時間 10:00〜17:00 (入館は30分前まで)

     月曜、10月2〜5日まで休み

観覧料  常設展:一般200円、大高100円、中小50円

     企画展は展覧会による

アクセス 京王線東府中駅口より徒歩17分(都立府中の森公園内)

     京王線府中駅より武蔵小金井駅行きバス(一本木経由)「天神町2丁目」下車1分     

Tel 042-336-3371

展覧会情報現在は「モーリス・ドニ展」を開催中(6月22日まで)。

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13 アートイン・パラダイス アメリカのアウトサイダーアート

 2001年5月19日 土曜日 (三鷹市美術ギャラリー)

駅の南口とビルの2階がつながっているので、数段の階段があるもののアクセスの面ではとても便利。今回は視覚障害者5名と晴眼者10名ほどの参加者で、ギャラリーはそれほど広い空間ではなかったので、会場はかなりにぎやかになりました。展示作品は、古布や段ボールや石や貝殻などなど独創的な材料・手法で表現されたもの114点。笑えるもの、かわいいもの、怖いものなど、一つひとつの作品がユニークで特徴的なものばかりで、5グループに分かれてまわりましたが、どれをピックアップしたらいいのか作品の選択が難しく、それぞれ悩みながらじっくり時間をかけて鑑賞していました。この展覧会の出品作家たちは、いわゆる美術教育を受けていないがゆえに、既成概念や美術の枠にとらわれることなく、自由に思いのまま表現をしているので、見ている私たちの感覚に直に伝わってくるものがありました。先入観なく見たまま感情のままを伝えることの楽しさと難しさを改めて感じた展覧会でした。 

<美術館データ>

開館時間 10:00〜20:00 (入館は30分前まで) 

      *月曜、1月14日休み(1月13日は開館)

観覧料  企画展による

アクセス JR三鷹駅南口すぐ、歩道橋を渡って駅前ビルCORAL5階

Tel 0422-79-0033

展覧会情報6月25日(水)より「高松次郎 再検証−絵画作品を中心に」を開催。

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14 ヴァイブレーション 結びあう知覚

 2001年9月23日 日曜日 (宇都宮美術館)

 さわやかな秋晴れの日曜日。2時間くらいかけてのんびり宇都宮まで電車の旅をしてきました。宇都宮といえば"餃子"の町。まずはバスの時間まで腹ごしらえ。美術館までは駅からバスで25分くらい。バスは1時間に1本しか出ていないので、あらかじめ時間を調べておかないと大変。ただ、美術館は終点なので安心して乗っていられます。美術館は、うつのみや文化の森という公園の中にあり、広い芝生の広場や池や林道など、とても環境がいいところでした。こんなに天気のいい日には、芝生の上でおにぎりを食べる方が気持ちよかったかなとちょっぴり後悔。今回の展覧会は、MARでは珍しくすべて彫刻作品の展覧会でした。触れる作品や点字、立体コピーなどがあり、視覚障害者に配慮してある展示になっていて、いろいろ考えて努力してあると感じました。しかしやはり実際視覚障害者と一緒に鑑賞してみると、まだまだ分かりづらい所もいくつかありました。たとえば、最初の展示室はすべて触れるブロンズ作品でしたが、キャプションがすべて点字で表示されていて、見える人や点字の分からない人には、全く作品に関する情報がありませんでした。また、触れない作品に対しては、その展示室の入口にまとめて、作品の立体コピーと点字による説明が低い台におかれていましたが、こちらもやはり点字で書かれているため内容が分からず、作品と離れていたので、どの作品の立体コピーなのか説明するのが難しかったです。台も奥行きがある平らなものだったので、奥の方のものが触りづらいところもあり、もう少し角度がつけてあったらと思いました。今回私たちは、点字の読める方がいらっしゃたので、逆に視覚障害者に説明をしてもらいながら鑑賞することができました。その点では、いつもと違った鑑賞ができ、楽しめました。ともあれ、やはり宇都宮はちょっと遠く、バタバタと慌ただしい鑑賞ツアーになってしまいました。次回はもう少しゆっくりと行ってみたいものです。

<美術館データ>

開館時間 10:00〜17:00 (入館は30分前まで) 月曜休館

観覧料  企画展による

アクセス JR宇都宮駅より、バス25分

Tel 028-643-0100

展覧会情報現在は「名づけえぬもの アメリカ・インディアンの手仕事」を開催中(5月18日まで)。

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15 エゴフーガル:イスタンブールビエンナーレ東京

 2001年12月9日 日曜日 (東京オペラシティアートギャラリー)

 久々の鑑賞ツアーとなった今回は、視覚障害者1名を含め6名で実施。展覧会は13名の作家の作品が各ブースに分かれて展示されていました。展示作品のほとんどが映像(動画)で、一つひとつじっくり観てしまうとどのくらい時間がかかるのかが分からなかったので、ギャラリーもそれほど広くはないということで、まずは誰のどんな作品が展示されているのかをざっと説明しながら軽く一回り。それから改めて1ブースごとに鑑賞していきました。映像作品は、とても感覚的な表現でその奥に秘められたメッセージを読みとるのは難しく、脳フル回転で作品の解説を頼りに作家のメッセージを考えながら映像の具体的な描写とそこから受けるイメージを言葉にしていきました。しかし、説明している間にも映像はどんどんと流れていってしまうので、見終わった後はかなりヘトヘトでした。今回は映像とそこから受けるイメージを一致させるのが難しかったのですが、その中でビョークのプロモーションビデオの作品は、かなり印象的でした。がらんとした暗い部屋。大きなスクリーンに映し出される映像。ビョークの歌。英語なので歌詞の意味はわかりませんでしたが、一見歌とは関係のなさそうな映像なのですが、ビョークの独特の歌声と醸し出す何とも言えない不思議な雰囲気が映像や観客を包み込み、その空間全体が作品となったような感覚がする作品でした。言葉で説明するのが難しいのですが、その感覚は視覚障害者の鈴木さんにも伝わったのか、彼もこの作品が一番印象的で、見てみたいと思ったと言っていました。それはある意味、人の想像力を刺激し、心で本当に鑑賞したと言えるかもしれませんが、逆に鑑賞の度を超えているのかもしれません。何とも曖昧な表現ですが、この話はまた別の機会に考えてみたいと思います。とにもかくにも、展覧会に行って、何か一つでも心を動かされる作品に出会えたことは素晴らしいことで、その点では今回の鑑賞会は成功だったと言えるのではないでしょうか。(か)

<美術館データ>

開館時間 12:00〜20:00 金曜日は21:00まで(入館は30分前まで) 

     月曜日、年末年始休館

観覧料  企画展による

     *障害者(手帳持参)及び介助者1名無料

アクセス 京王新線初台駅東口より徒歩3分(駅とビル直結)

住所   〒163-1404 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティータワー3階

Tel 03-5656-0756

展覧会情報現在は「エイヤ=リーサ・アハティラ展/束芋展-おどろ、おどろ」開催中(6月8日まで)。

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16 バックミンスター・フラー展

 2002年1月19日 土曜日 (ワタリウム美術館)

 視覚障害者2名と晴眼者6名が参加。2グループに分かれて鑑賞しました。といっても、ワタリウム美術館は展示室が狭いので、ところどころ一緒に鑑賞。今回の展覧会は、建築家ということで、彼が設計・デザインした家や車の模型から始まりました。家や車といっても、私たちが思い描くものとは全く違い、円形や曲線が多用されている風変わりなものばかりでした。実際彼が住んでいた家というのも円形で、真ん中に大きな円柱の柱があって、一本足で地面から浮いているというデザイン。何だか宇宙船のようで、住み心地はどうだったのでしょうか・・・?ちょっと気になりました。そのほか、万博のパビリオンとしての球体の温室の骨組みの模型、建物の構造として球体をいかに取り入れるかの研究や実験の過程なども紹介されていて、何だか理科の実験室のような感じでした。精密な計算のもと建てられているんだと改めて感心しながら、計算嫌いな私には絶対に無理だと思いました。

 ワタリウム美術館はかなり狭い空間で、荷物があるとちょっと動きづらいので、始めに受付で預けてしまう方が無難です。

<美術館データ>

開館時間 11:00〜19:00 水曜日は21:00まで(入館は30分前まで) 

     月曜日、年末年始休館

観覧料  一般800円、大高600円  *会期中何度でも入場可

アクセス 地下鉄外苑前駅より徒歩5分

青山通りを渋谷方面へ進み、青山三丁目の交差点(右角にベルコモンズあり)を右折し、キラー通りを数百メートル進んだ左手。コンクリート打ちっ放しのビル。

Tel 03-3402-3001

展覧会情報現在は「建築家 伊東忠太の世界展」を開催中(8月31日まで)。

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17 美術館物語

 2002年4月20日 土曜日 (埼玉県立近代美術館)

 今回は京都からミュージアム・アクセス・ビューのメンバー2名をお招きしての合同鑑賞ツアー。最初に常設展をざっと鑑賞し、企画展の方へ。今回の企画展は、展覧会ができるまでの美術館の裏側を紹介するという珍しいもので、ポスター制作の過程や作品を輸送するときの木箱や額の裏側などが展示されていたり、展示ケースの中に入れるようになっていて、自分が展示品になったような気分が味わえたりと、体感型・参加型の要素の多いおもしろい展覧会でした。MARの鑑賞ツアーにおいては、特に事前の下見は行ってなく、一緒にみる相手やその日の気分などその場でお互いにコミュニケーションをとりながら、自由に鑑賞するという形で行っていますので、ビューのお二人は、MARがとても自由にラフな感じで鑑賞していたことにちょっとビックリしていたようでした。(か)

<美術館データ>

開館時間 10:00〜17:30 金曜日は20:00まで(入館は30分前まで)

     月曜日、年末年始休館

観覧料  常設展:一般200円、大高100円

     企画展:展覧会による

アクセス 京浜東北線北浦和駅西口より徒歩4分(北浦和公園内)

     改札(一つだけ)を出て左へ

http://www.saitama-j.or.jp/~momas/

住所   浦和市常盤9-30-1

<美術館一口メモ>
 
*館内のグッド・デザインの椅子に自由に座ってくつろげます。あなたはどの椅子がお気に入り?
 
*光ファイバーによる美術館のライトアップと2時間おきに名曲に合わせて優雅に水が舞い踊る公園の音楽噴水もおすすめ。

 

展覧会情報6月20日(金)より「トルコ美術の現在 どこに?/ここに?」を開催。

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18 心の眼 視覚障害者のための視覚芸術展

 2002年8月22日 木曜日 (ブラジル大使館)

 建物の外観は斬新でカラフルだったのに地下のアートスペースは100Fくらいの長方形で殺風景。展示されていた作品も、眼の見えない人をステレオタイプに考えていることがはっきり分かってしまい、楽しくありませんでした。作家の善意が分かるだけに、ちょっと残念な展覧会でした。

(1)作品が全部白だったこと。もちろん白色が表現ならいいのですが、単に「見えない人には色は不要だ」という発想だと思いました。その結果、色を識別できる人の楽しみを奪っています。

(2)様々なアマゾンの魚がテーマなのですが、作品の大きさがだいたい同じで、しかも図鑑に描かれている魚と同じ姿でした。輪郭が切り抜いてあり、頭は左向きなので手で触れていけば形を辿ることはできますが、そこに作家の表現が感じられません。

(3)魚の中央に点字と墨字で名前が張り付けてあり、傍らには「成長したら○○メートルになる」という説明書が添えてありました。日本で点字を用意するのにご苦労があったらしいですが「点字はあまり役に立たない」ことを知っていれば、他の方法があったのにと思います。作品に直接張り付けるのも無神経じゃないかしら。

(4)作品は中央の1点で釣り下げられており、しかも金具が短いのをテグスで補っているので、見た目も悪いし、触る時もグラグラと不安定で気が散ります。

 一緒に鑑賞したYさんはダイビングをやるそうで「本当の魚には厚みがあるし、背びれと腹は違う感触だし、動くし、輪郭だけが分かっても・・」と言っていました。Oさんは会場のまん中で手を広げ「2メートルの魚っていうなら、ここらへんに大きい作品もあったら楽しいのに」。
 小さなトカゲやカメ、植物の種や葉がコラージュしてある作品が1点あり、それは触りながら、見ながらいろいろな話ができました。これはよかった。また、アマゾン川の水の音が絶えず会場に流れていて、見えない方に音に一定のリズムがあることを教えてもらいました。音があると位置がわかることも再確認。(O)

****************************

 「視覚障害者のための視覚芸術」ということにこだわりすぎて作品として死んでしまっているものが多かったような気がします。もったいない。でも魚の舌の作品や発砲スチールの粒粒の箱はみなさん楽しんでました。建築に関しても、EVなどがんばりましょうという感じでしょうか。(い)

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19 ミロ展

 2002年8月25日 日曜日 (世田谷美術館)

 音声ガイドを見えないTさんが借りました。ユーモアのセンスがあるTさんは聞きながら「エーッ」とか「ナニ?」とか言うので、あとの3人が興味しんしんで、頭を寄せて「教えて」もらいつつ鑑賞。実際に作品を見て話していたことを理論的に解説される結果になって、鑑賞がふくらみました。この作品展は、ミロが独自の表現に至るまでの期間に限定したもので、一つひとつの作品に深い意味があるように思えました。戦争中に描かれたというある作品の前で、丁寧に言葉に置き換えながら見ていたら、ミロの創造力と意欲がぎっしりと込められた素晴らしい作品だと感じた瞬間がありました。知識として知っていた作品と違うものがふいに立ち上がるのです。自分の力で発見した感動とも言えるものでしょうか。MARの時に経験することが増えてきたような気がします。(O)

<美術館データ>

開館時間 10:00〜18:00 (入館は30分前まで) 

     月曜日、年末年始休館

観覧料  収蔵品展:一般200円、大高生150円、中小生100円、65歳以上100円

     企画展:展覧会による

アクセス 田園都市線用賀駅より徒歩20分

Tel 03-3415-6011 

展覧会情報現在は収蔵品展「ユメノクニ/ココロノモリ 〜目に見えるものと心に見えるもの〜」を開催中(7月6日まで)。

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20 アイ・ラブ・アート展 PART6

 2002年11月4日 月曜日・振替休日 (ワタリウム美術館)

 今回の鑑賞先はアイ・ラブ・ア−ト展PART6。アンディ・ウォーホル等の現代アート作品を扱った展覧会です。問題は視覚障害者4名に晴眼者が22名という参加人数。計26名という大所帯が手狭なワタリウムに入るのか、ちょっと心配しながら会場に向かいました。
 また今回は詩人の方を迎えるという新たな試みもしてみました。詩人の豊かな言葉使いを楽しみながら、新たな鑑賞の可能性を体感していこうということです。そういうことで、3名の詩人の方を中心に3グループに別れての鑑賞。従って1チームが大体9人。やっぱりちょっと人数多めです。
 中に入ってみると、それほど込んでいなくて一安心。1グループがエレベータに入り切らないというアクシデントはありましたが、いつも通りにグループ鑑賞ができました。展示の内容は現代アートということもあって、コンセプチュアルなものが多めでした。強い印象は受けるのですが、余りに具象的なものとは異なるので何から説明すればいいのか困ってしまうものばかりといった感じでした。

 さて今回の目玉である詩人の方との鑑賞についてです。
 詩人の方の解説は、まず表現の簡潔さ・的確さが違う。作品の主要な部分を読み取って、大切な部分から説明を行っていました。あまりにも自然に解説なさっているので、どこが凄いのか最初気が付きませんでした。また作者の心情や作品細部の読み取りも深かったです。その為、作品にどんな主張が込められているかとか、どんな試みとして作られているか等について、いつもの観賞会よりも深く切り込めたと思います。
 私は所々言葉での解説に加わりながら、手を取って作品のサイズを伝えたり、作品の構成を手の平に書いて伝えたりといった部分で頑張ってみました。作品の空間的な構造を手など身体の感覚を使って解説していくといったことは、これまでの観賞会で得た経験が直に生きてくる所かなと感じました。

 今回は作品の解説方法について、いろいろと得られることが多かった観賞会でした。今回詩人の方から学んだ解説方法を、つぎの観賞会で上手く使っていこうと思います。(Y)

<美術館データ>

開館時間 11:00〜19:00 水曜日は21:00まで(入館は30分前まで) 

     月曜日、年末年始休館

観覧料  一般1000円、大高800円  *会期中何度でも入場可

アクセス 地下鉄外苑前駅より徒歩5分

青山通りを渋谷方面へ進み、青山三丁目の交差点(右角にベルコモンズあり)を右折し、キラー通りを数百メートル進んだ左手。コンクリート打ちっ放しのビル。

Tel 03-3402-3001

展覧会情報現在は「建築家 伊東忠太の世界展」を開催中(8月31日まで)。

 
32「チョコレート」展 
 2007年6月10日 日曜日 (東京ミッドタウン内 21_21DESIGN SIGHT)

東京ミッドタウンの「チョコレート展」でMARに初参加した福田です。

とても刺激的な体験になったので感想やら意見をお伝えしたいと思います。
そもそもなぜこの活動に参加したいと思ったかというと

・ボランティア、ガイドという立場でなく一緒に楽しむ趣旨が新しくて気に入った

・今まで一人で解釈してきた芸術を会話を通して鑑賞する事によって楽しむ幅が広がると思った

・自らの表現力のなさにあえて挑戦!

などです。後から考えてみると、色んな可能性を感じての事だったのかなと思います。
言葉にして相手に伝える事は友達の前でさえかなりの苦手意識を持っていたので不安もありましたが、いつも通り芸術鑑賞を楽しむ気持ちで行きました☆
鑑賞の感想はというと、まず私はこのツアーの先輩であるスギさんの伝達力と会話のリズムに圧倒されました!それを真似して私も建物の雰囲気やら伝えてみましたが、やっぱり多くの言葉を知ってたり普段から何かを感じて生きていないとすぐに表現って出てこないものだと知りました。
作品を説明することに頭がいってしまうと、自分が作品を見て心でどう感じたのか伝えるところまでいくのが難しいです。 また、休む場所が無かったせいもありますが途中から疲れてしまって、集中力に欠けてしまった気もします。
鑑賞後に私の言葉はどのような想像へとつながったのかなどフィードバックして頂いたり、お互いのことをもっと知ったりする時間があったらな〜というのが少し残念です。解散してそれぞれ散らばっていく自由な感じも好きでしたが。笑
けれど、グループメンバー4人で鑑賞し、こんなチョコもらったらやだとか笑ったり、チョコが私達の生活に入りこんでる想像を膨らませたりしてすごく楽しい時間が過ごせた事は確かです!
カカオの原産地である途上国の人たちについても考えさせられるような展示の仕方にもなっていました。入り口でもらえるチョコはこの時間を表すように貴重な味だったような★
初めて会う方とお互いを知る前に鑑賞に入るという試みはステキな出会いの形だと思います。帰ってから周りの人にも感想を伝えたら、それぞれコミュニケーションについてや芸術についてなど色んな反応が返ってきました。 やっぱり自分の中で考えてそれで終わりにしてしまうのはもったいなくて、反応を恐れずに人とどんどんぶつかり合っていくという心持ちが大切だと今回改めて感じました。
参加者であるユサさんにコミュニケーションによる感性を磨いてくださいねというようなお言葉もいただき、これから成長していきたいです。色々な思いがめぐった体験でした。

<美術館データ>

開館時間 11:00〜20:00  

     火曜日 休館日

観覧料  一般1000円、大高800円、中・高生500円、小学生以下無料

     *15名以上は各料金から200円引き    

アクセス 都営大江戸線「六本木」駅ミッドタウン直結出口より徒歩1分
     東京メトロ日比谷線「六本木」駅より徒歩5分
     東京メトロ千代田線「乃木坂」駅より徒歩5分

住所   東京都港区赤坂9-7-6

Tel03-3475-2121 

http://www.2121designsight.jp/designsight/index.html

展覧会情報現在は「チョコレート」展を開催中(7月29日まで)。

34「六本木クロッシング2007:未来への鼓動」展
2007年11月4日 日曜日 (森美術館)

現代アートは自由に放たれた感じがいいと思う時もありますが、「???」と頭が空っぽになってしまうことも多いです。
感じることが少なかったのか今の私自身に芸術を観る余裕がないのか、あまり作品に入りこめずにいました。
しかしそんな時でも誰かと一緒に観ることで発見出来ることは多く、そこから広がった相手を知る会話の方が楽しく感じました。
いつもなのですが自分のコミュニケーション力や表現力はやはり気になってしまいます。焦って早口になったり逆に黙り込んでしまったり、物事や言葉を知らなくて、説明向いてないんじゃないかと思ってしまいます。だけど、考えてみたら向いてる向いてないなんて関係ないんですよね。三回目にしてうっかり自らが参加者であることを忘れてしまいました。
気になったから来た。人との会話を通して面白く捉えたい。この事を忘れたら何しに来てるか分かりません。
ノウハウは徐々に身に付けていくものだし、言葉の壁よりもまず心の壁を壊すこと、全てはそこに開かれた道はあるのかな?なんて。
それと、その場で私なりの引き出しを探すことや周りのやり方を知るって大事ですよね。大内さんの落ち着いていて堂々とした態度や佐々木さんの可愛い笑顔には本当に救われました。色々と真面目に考えてみましたが、なんだかんだで三人の相性が合っていたのか笑顔も多く、楽しかったのです。
事務局が毎回始まりに言う「堅苦しくせずに行きましょう」というのはMARの活動の主旨を表していて自由に、楽しめればOK!というものなのですねきっと。
作品を通してみる繋がりの不思議や、人を好きにさせてくれる人達に出会えて、これだからやめられないなっと思いました。

<美術館データ>

開館時間 基本情報

月・水〜日曜日10:00〜22:00

火曜日 10:00〜17:00
(いずれも最終入館時間は閉館の30分前まで)

観覧料  一般1500円、大高1000円。障害者の方と介助者1名は半額。

アクセス
■東京メトロ日比谷線「六本木駅」徒歩0分 (コンコースにて直結)。
■都営地下鉄大江戸線「六本木駅」徒歩4分。
■都営地下鉄大江戸線「麻布十番駅」徒歩5分。
■JR渋谷駅より都営01系統バス(渋谷〜新橋)「六本木六丁目」下車。
■JR渋谷駅より都営渋88系統バス(渋谷〜新橋)「六本木六丁目」下車

住所  東京都港区六本木6-10-1  六本木ヒルズ森タワー 53F
tel:03-5777-8600 (ハローダイヤル)

lhttp://www.mori.art.museum/jp/index.html

展覧会情報現在は「六本木クロッシング」展を開催中(2008年1月14日まで)

 

36「池田満寿夫 知られざる全貌」展
2008年3月2日 日曜日 (東京オペラシティアートギャラリー)

「池田満寿夫 知られざる全貌」展を鑑賞して。ともかく、ダイナミックだったと言わざるを得ません。
私も、1934年生まれですから、同じ息吹の中で生きてきた訳です。戦争へと突き進み、敗戦を体験した昭和は、その分岐点から、全く異なった歴史観によって、再出発し、躍動を繰り返しました。
その変容の初期に、かれは16歳でした。池田満寿夫の原点は、彼の16歳の橋の絵です。橋が歪み、橋のらんかんが曲がりくねっているのは、山の釣り端の揺れと、たわみをイメージさせるのに十分です。つまり、彼は橋を固定物だとは見ていないのです。橋は、その上を通過する全ての事物の重量を受け止めて、動く生き物なのです。
ハイヒールが、ぽつねんと置かれています。あるものは、これから始動する靴であり、あるものは、1日の生活の終着点を迎えたそれでもあります。そこに、ある女性の1日の物語の重みを重ねて味わえるのが、彼の作品の真髄なのです。

彼は、静止しているものの中に「動」を見抜き、また、その「動」の裏側に静寂を観ているのです。単なる平面の女性の着物も、そこに、丸みを帯びた女性の裸身を加えて鑑賞すれば、果てしないバリエーションと生きた変容が現れます。
屏風も、平坦であるからこそ、彼の意思を伝えているのです。私の固定観念では、屏風は、ジャバラスタイルで置かれるのが、一番優雅なのだとイメージしてしまっています。
しかし、彼の平坦な屏風は、私が、それを自由自在に動かすことが出来るのです。同時に、それを美しく咲かせるか否かは、私たちの美的観念に委ねられています。
版画の中に描かれているさまざまな線は、版画の外へ突き進む原動力を秘めています。そのはみ出た線の先を、感じることが、彼の版画を生かすこつです。
マリリンモンローと空。とても印象に残りました。もしも、彼の空がなかりせば、どんなものになっているでしょうか。それは、単なる雑誌の切抜きの断片でしかあり得ません。
彼の空の部分で、彼女は、永遠なる自分の「モンローウオーク」を続けているのです。彼女の歌声と足音が聞こえます。
般若心経パズル(?)。実に、自分の掌の中に、仏教を包み込んだような気がしました。あの1片の文字が、私の掌の温もりの中に溶け込んだ時は、私は、もう、僧侶です。
彼の手にかかっては、仏教も、巻物ではなく、美術です。

最後に、今回の展示のキーワードは、何と言っても、『破壊の美学』です。破壊の部分を想定してこねくり回された土くれは、かまどのなかで息づき、[あえて割れるように制作したのが特徴]となって、外へ出てきます。でも、その作品らは、必ずしも、彼の意図とするものになっていないかも知れません。
それ故にこそ、彼は、それを、破壊の美学と名づけたのでしょう。何ともいえない「崩れ」の美しさは、抜群で言葉も出ません。
しかし、彼は、その崩れの表面だけを美学と言っているのではありません。崩れた部分を、私たちの心の土くれで、どのようにでも伸展させてこそ、彼の美学を掌中に出来るのです。
美術作品は、静止しているものではなく、その中に躍動を感じるものなのだと、今回の「池田満寿夫」展によって教えられました。
これからのMARの世界で、この躍動を、もっともっと感じられるようになりたいです。

<美術館データ>

開館時間 基本情報

11:00 ─ 19:00(金・土は20:00まで/入館は閉館30分前まで)

月曜日(祝日の場合は翌火曜日)

観覧料

一般  \900/ 大学・高校生 \700/中学・小学生 \500

アクセス
京王新線(都営地下鉄新宿線乗り入れ) 初台駅東口下車 徒歩5分以内(東京オペラシティビルに直結しています。)

*京王新線へは、JR新宿駅南口からお乗り換えください。(京王線とは乗り場が異なりますのでご注意ください。)

*京王新線新宿駅4番ホームより笹塚方面へ1つ目の駅が初台です。(一番後ろ(新宿寄り)の車両にお乗りいただくと、初台駅東口近くに止まり便利です。)

*小田急線 参宮橋駅より徒歩約14分

*都営地下鉄大江戸線(都営12号線) 西新宿五丁目駅A2出口より徒歩約17分

 

展覧会情報現在は「六本木クロッシング」展を開催中(2008年3月23日まで)

37「原美術館コレクション」展

2008年4月27日 日曜日 (原美術館

「原美術館コレクション展」について

昨日は、森林浴と共に、現代美術を鑑賞出来て、最高でした。私は、今回のキーワードを、「空間芸術」としたいのです。緻密に計算された空間は、私の胸に鋭く突き刺さりました。
それでいて、安心感を覚えました。それは、あたかも携帯電話を忘れずに持って来たと言う安堵感にも似たものです。そして、制作者と、Eメールで会話が出来るような気楽さを感じました。
つまりは、彼も吾も現代に生きているのだと言う実感です。これは、ゴッホや、その他の古典の中には、決して見つけられないものです。
もちろん、古典は、古典なりの現代ですが、でも、あの時代にパソコンはなかったのですから仕方がありません。
私は、説明者の言葉を聞くなり、空間を感じ、空間ならば、私たちで、それらを自由に変形しても構わないのではないかと思ったのです。それで、説明者に向かって問いかけました。
作品の中に、『○○が無かりせば』、作品はどんなイメージになるかと。

【マンガ家の制作室の空間。】奈良美智 MY DRAWING ROOM
もしも、人形や、その他のものが置かれていなかったとしたら?配置されるべきところに配置されているのは、作者が、その物体と共に生きているからに他なりません。それでなければ、単なる雑然とした作業室であり、ブレーキの効いた空間は生まれないでしょう。

【淀川の絵巻。】円山応挙 淀川両岸図巻
1本の墨の筆書きの線が、単調な世界に空間と風を生み出しています。下手をすれば、その線は、空間を腹切りにしてしまいかねません。
でも、その線がなかりせばと考えたら、芸術作品とは、呼べないはずです。

【花瓶の空間。】ヴィルヘルム・サスナル  無題
説明者は、言います。影が、四角・三角形だと。しかし、視点を換えて見ればそれらは、花瓶の敷物なのです。その影の形の上にあればこそ、作者が、花瓶に動きを与えられるのです。
単純な光と影としてだけ見るならば、その花瓶は、静物画に過ぎません。私たちは、日常、無意識に動いていない物に、動きを投影させているのかも知れません。

【廊下の空間。】ルイザ・ランブリ  無題
戸口と思しき穿たれた四角形から、何かが噴出して、奥へ、奥へと、見るものをいざなうようでした。その四角形の穴が、人間の居室であったかどうかと考える前に、私は、子どものような好奇心で、洞窟探検をしていました。

【黄色い空間。】草間彌生  自己消滅
強烈な印象を受けました。作者が安住できる世界は、黄色なのでしょう。鍋などを吊るさずに、貼り付けているのは、それが、彼女にとって、安定を意味しているのではないかと思えました。
それに、無数の針穴を穿ち続けているのは、残酷と取るべきよりも、自分が生きている連続性を表現しているのです。それは、私たちでも、男女が、恋愛関係にある場合、相手を思い焦がれる心は、
このような一つ一つの針穴で、確かめあっているのでしょうから。

【数字のマジック。】宮島達男 時の連鎖1989−94
全く、お見事と言うより仕方がありません。遊びなのか、それとも、深い瞑想の世界なのかが判然としません。
数列を、それぞれの範囲で切り取って見るならば、スピード感あり、停滞感もありです。何か、街頭を、「○○ハンターイ」と叫んで行進している不揃いな行列でもあるかのようです。
そして、その騒音を聞きました。この作品に触発されて見ると、人間は言葉を持ち、それを紡ぐことでこの世に存在し得ていますが、その根底をなすのは数式だと気づかされます。
パソコンのC言語も、数字で成り立っていますし、経済は、全て数式です。

【タイル張りの部屋。】ジャン・ピエール・レイノー ゼロの時間
CAD(キャド)を使った設計図の具象化と言いたいです。小さな四角形のタイルに過ぎないのに、それに時間差を与えると、円にも、曲線にも、円柱にもなるとは、驚きでした。
ゴシック建築の教会の内部に居るような錯覚に陥りました。逆に、この黒と白のほのかなコントラストに、光線を当てるとどのような生き物に変身するのでしょうか?
作者は、その可逆性を目論んでもいるとも取れました。

【チビ黒サンボ。】加藤泉  無題
分裂なのか、収斂なのか。多重人格なのか。不思議な虹彩を放っていました。将来、チビくろサンボ・人間が、背負っていく重荷なのか。
形の輪郭だけに眼を移ろわせるだけに終わらせるならば、この作品の意図を理解できないのではないでしょうか。

もうすこし、作品を鑑賞したと思うのですが、記憶を辿れません。

今まで、MARの方々とご一緒に現代アートを鑑賞させていただいて来ました。それ以上に、これからも、もっと多くの現代アートに触れたいと思わせてもらえたのが今回の企画でした。感謝。
ところで、宇宙ステーションの建築を知覚できる現代、また、CGによる三次元を身近にしている私たちは、すでに現代アートの中でしか生きられないのです。
好むと好まざるとを問わず、「KY語」は、巷間に氾濫し、携帯小説が一過性のものだと断じても、それが現代なのです。それならば、その中に心理を見極めるのも、私たちの義務です。
そして、その眼を培わせてもらえるのも、現代アートの彼らによってです。

 41「丸山直文ー後ろの正面ー」展

2008年11月9日 日曜日 (目黒区美術館

■視覚障害者 Nさん

11月9日、丸山直文を鑑賞して。

1階にある最初の絵を見ました

パートナーさんたちの丁寧な説明を聞いて、私は、途方にくれました。

絵の内容は判りますがハットするインスピレーションが涌かないのです。

いつもなら、たいてい何か一つとっかかりが私の心に突き刺さって来るのに、彼の絵は、茫洋としているだけなのです。この気持ちが私に、それで、何だと言うのだ、と言う反発新を起こさせました。

それから、どんどん会話を続けながら絵を鑑賞しました。その結果、彼の絵は、まさしく蜃気楼の世界でありながら、その境界線がぼかされており、絵の事物の正面と後ろ、表とうら、上と下との対称軸を見定められないことが、私に茫洋観を引き起こさせたのだと気がつきました。

しかも、ソレが逆に、絵に動きを与えているのです。ボートは、水平線から盛り上がって、こちらへ直進してくるし、大きな樹木の影に、風邪を感じるし、崖の上野空は、雨のように、空全体が、ふわりと降りて来ます。
その優しさと、温か味は、『場所や時間が判然とせず、いつか、どこかで見た不思議な懐かしさを感じさせます。現実の世界を別の世界へ移しかえた桃源郷とも言えそう』と、評される所以でしょう。

でも、私は、そのようなノスタリジーだけで、彼の作品を捉えることは物足りないのです。

 むしろ、茫洋さを、「混沌」に置き換えて味わうほうが、現代社会の出口の見えない閉塞感を、より一層理解しやすいような気がします。

経済こそが、万能だとして進んで来た世界が、その経済の小さな綻びで、経済自身が、経済を滅ぼし、世界を震撼とさせていることは、混沌そのものです。彼の作品は、それを示唆しています。

 一方、彼は、自分の作品を展示するために、美術館の部屋の空間を取り込んで、作品に第2の息吹を伴わさせています。白い床に反射させる絵は、これまた、境界線の無い世界です。コンクリートを打ちっぱなしのような床の靴音が、絵の中に溶け込んで、逆に生活観を引き立てています。

これを、絵の二重構造と呼んでも、間違った感覚ではないように思います。彼は、画家であると同時に、建築家でもあると行ってもいいようです。何故ならば、一見、奔放自由のように思える絵の具の散乱も、きちんと設計図通りに配置されているに違いありません。

桃源郷であれ、茫洋であれ、混沌であれ、私の気分が、丸く穏やかにほんわかとなったことはずっと記憶に残ります。

風変わりな作品に出会えて、楽しいひと時を過ごせたことに感謝します。

目黒美術館は、庶民的で、気軽に作品を鑑賞することが出来ました。原美術館と同様に、私にとって、今後も訪れたい美術館になりました。

 

43「青春のロシアアヴァンギャルド」展

2009年3月7日 土曜日 (埼玉県立近代美術館

■視覚障害者 Iさん

正直な話しあれほど絵画を楽しめるとは思いませんでした。
もともと美術関連はあまり特異じゃなかったのですが、絵の解説をしてくださる方々のとっても素晴らしい絵画への愛情とでもいうのでしょうかが、それこそ痛いほど伝わってきていて本当にこの人たちは絵が好きなんだろうなと感心させられてしまいました。

ともかく驚いたのは自分があれほど絵を見て(見えないけどみえるんだなぁこれが)楽しいと思えたことです。本当に絵画は苦手?といってもいいくらいだったのに絵画のすばらしさを伝えようと熱心に話しておられる皆さんに引き込まれたみたいです。

■視覚障害者 Sさん

一緒に鑑賞したお二人の色の表現が豊富で、私の中の色もどんどん変わってきました。また、二人が気になった絵を中心に鑑賞していったんですが、2人の気になる絵が自分も気になってくるんです。十字架の絵ははじめに真っ黒に塗られていると聞き、絶対主義の中には何かがかくれているような気がしました。

■晴眼者 Uさん

ロシアの時代背景とのリンクを感じながらみることがとても新鮮でした。以前もロシアアヴァンギャルドは見たことがあるんですが、そのときは‘自分と‘絵画の関係性で作品をみていたけれど、みんなで見ることによって一歩違う新鮮な感覚を感じてみれた。

■晴眼者 Oさん

ひとつのことに時間をかけることが最近減っているので、時間をかけてじっくり向き合えるのはとても幸せな時間であって大事だなと感じました。また、ロシアアヴァンギャルドはエネルギーに溢れていて、もっと鑑賞時間があってもいいぐらいでした。

 

■視覚障害者 Nさん

「日本の自画像、写真が描く戦後展」を鑑賞して。強烈なエネルギーでした。

あたかも、龍が天高く舞い上がる時に発する風のようなものを感じました。

私は、他の美術館で写真展を鑑賞した回数は、2回かそこらしかありませんが、それらのどの写真展よりも、今回の方が、素晴らしかったです。11人の写真家は、一丸となって戦後50年の大きなうねりを、一枚一枚の写真に凝縮させていました。写真の奥深くに秘められた熱線に私は射すくめられてしまいました。

今回の鑑賞ツアーの人々の年齢は様々で、私のように、この年代とぴったり合致する人間もいれば、戦後の廃墟などを知らない方々もいらっしゃったと拝しますが、その強弱が、写真展の価値を左右させはしません。何故ならば、誰もが、あの膨大な写真の時空の数々を体験した人はいませんし、11人は、私たちに成り変って年代の即席を提供してくれていますから、それらを素直に受け取れば、戦後50年が、誰にも均一に具現されるはずです。

まず、最初に眼にした、「45年の秋(?)の真ん中にボンヤリと下光だけがある写真の茫洋さに、心が引き付けられました。
戦争が終わった虚脱感と安堵感が混じっている感想を持ちました。
次に、コンクリートや、板塀・トタンなどの寄せ集めの家に住む人や、バラックの闇市に集まる大衆の動きは、今日一日を、生き抜くと同時に、明日への望みを胸にかけています。誰にも頼らない、頼れない現実を背負ったたくましさです。それは、戦後文学の『肉体の門』、『君の名は』などを遥かに超えた実像です。

驚いたことに、48年ぐらいには、もう、競馬が開催されていたのですね。夢を渇望する一般大衆の底力はたいしたものです。
進駐軍の米兵の靴を磨く子どもや、その他の子どもたちの顔が、何と引き締まって大人びていることでしょうか。彼らは、体一杯で生活と真正面に向き合っているのですから、『鐘の鳴る丘』のドラマ以上と言っていいでしょう。
復員兵のニコニコ顔の写真は、生きて祖国に帰って来た喜びそのものです。鑑賞した全員が、その裏には、どんなにか過酷な生活があったことだろうと推察したことでしょう。

一転して、農村の水田の美には、刈り取られた稲穂のワラが整然と並んでいました。それを見ていると、刈り取り作業をしていた人々が口ずさんだであろう民謡の一節や、カエルの鳴き声が聞こえました。都会にはない自然の安らぎと、豊かさがあり、心が落ち着きました。
ハテもさても、浴槽にぎっしりと浸かっている混浴の男女には、生活のおおらかさと、ユウモアーを感じました。

そして、私たちが未来永劫、忘れてはならない広島の原爆ドームの写真は、戦後の日本の象徴です。その陰影は、日本人の、イヤ、世界中の人間のDNAに塗り込めて平和への石づえにするべきなのでしょう。

安保闘争の写真は、一時代を画したエポックメーキングの事柄です。
安田講堂に花咲かせた若い学生の情熱は、そして、国会議事堂を取り巻いた群集の血と涙は、どこへ行ってしまったのでしょうか。
今、国会議事堂の周辺は、二つの「新議員会館」の建築ラッシュに沸いています。写真は、それらのことを、是認するでもなく、否定するでもなく、ただただ、静かに私たちを見つめているだけです。

最後の一枚は、バラと作家のミシマの写真です。それを美しいと捕らえるか、ちょっとしたこだわりを感じるかによって、ミシマ文学を読む方向が左右されるかも知れません。割腹自殺の前に手渡されたと聞く、『豊穣の海』の4部作は、ミシマの美意識の根幹をなしていたように記憶しています。あの事件は、今でも鮮烈で、ついつい、ミシマで、昭和が終わったと思いがちですが、それも、さして罪にはならないのではないでしょうか。どうでしょうか。

今度遠い未来に平成50年の写真展が開かれるとしたら、どんな写真家が、どんな写真を披露するのだろうと興味深々です。
遠い未来は別にして、今、眼の前にしている現実を捉えるために、心のなかのカメラマンならば、私でもなれると希望を持たしてくれたのが、こんどの写真展でした。

それにしても、コミュニケーションを通じてのMARの時間は、楽しいものです。

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