「美術は難しい」とか「美術館は堅苦しい」といったイメージが、美術や美術館を私たちの生活から遠い存在にしています。しかし、本来美術や美術館は私たちに、身近で開かれたものです。誰のものでもある美術館をもっと身近に、もっと楽しむために、「MAR」は一人ひとりの情報や力や思いを集め、発信し続けるために恒常的な活動をはじめました。
まずは、美術館とは一番遠い存在におかれている視覚障害者と一緒に「みる」ことからはじめています。ここでの「みる」ということは、視覚や触覚だけに頼るのではなく、「ことば」と通してお互いに想像力を働かせながら一緒に「みる」ということです。そこに生まれるコミュニケーションを大切にしています。鑑賞とは、ただ物理的に目で見ることではなく、作品を感じる、感じ取ることで、そこに新たな発見や気づきがあることが鑑賞だと思っています。そのためにはコミュニケーションは不可欠だと考えています。ガイドする人される人という一方的な関係ではなく、ボランティアという立場でもなく、あくまで一緒に楽しくみる仲間として、みて感じて気づくことを大切にしています。
障害のある人もない人も、こどももお年寄りも、一緒に「みる」ことを通して、社会に存在するさまざまなバリア(障壁)を新たな出会いの、そして楽しみのきっかけとしてプラスに変えていけるように、私たちが一人ひとりができることからマイペースに活動していきます。活動の主体はあくまで私たち一人ひとりです。それぞれが自分の思いをふくらませ、つなげていくことで、全国各地にこうした活動を根付かせていきたいのです。MARは市民と美術館を結ぶ緩やかなネットワークグループとして、美術や美術館の可能性を探るとともに新しい価値観やコミュニケーションを発見し、真の文化づくりについて考えていきます。
MARにはマニュアルなどはありません。みんなが私であり、あなたであり、すべてはそこに起こることなのです。だからこそおもしろくて、可能性がいっぱいあるのだと思っています。 少しでもおもしろそうだなと思った人は、ぜひご登録ください。みなさんのご参加、お待ちしています。 |
1 美術館・展覧会に関する情報の公開
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2 アクセス調査
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3 ネットワークづくり
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4 新しい楽しみ方の発見
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5 視覚障害者とみるための鑑賞スキルの開発・ノウハウの蓄積
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6 ニュースレターの発行
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1999年
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
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視覚障害者の方へ MARってなあに ミニエッセイ〜視覚障害者の視点〜 |